2026 / Gear Report / Patagonia Capilene
着替えを持たずに海へ、そのまま山を歩く。境界線も持たない。これが僕のフィールドのスタイルだ。だから一枚で山も海もこなせるウェアにこだわってきた。パタゴニアがキャプリーン・クール・シリーズを大幅刷新した。温暖化でフィールドの暑さが変わっているから作る側も変えなければならない、しかも環境への配慮は重ねながら、というのがその理由だ。さっそく着て沖縄へ向かった。伊平屋島で海に潜り、山を歩く。国頭郡東村では藻場再生プロジェクトの現場を取材し、川沿いを歩いた。
キャプリーンとは
キャプリーンの原点は1980年にさかのぼる。当時の雪山では、メリノウールのアンダーウェアが主流だった。ウールには体を暖かく保つという優れた特性がある一方で、肌に触れるとチクチクしやすく、汗を吸うと乾きが遅くなる、という弱点があった。
パタゴニアはいち早く化学繊維に目を向け、船のロープに使われていたポリプロピレン素材に着目する。「水を吸わない(疎水性)」という特性を活かして肌をドライに保つ──それがすべての出発点だった。ただしこのポリプロピレン素材も課題は多く、汚れると乾きにくくなり、においが出やすく、乾燥機に入れると大きく縮んでしまうという問題があった。
その反省を活かして1985年、ミリケン社との共同開発によって「キャプリーン」が誕生する。ポリエステルの繊維が汗を吸い上げ、生地の表面に広げて拡散・乾燥させるウィッキング機能(後述)を業界に先駆けて実現した。
当初はライトウェイト、ミッドウェイト、エクスペディションウェイトという3つのラインナップで登場し、「アンダーウェア(下着)」として位置づけられていた。
ウィッキング(Wicking)とは、繊維が汗などの液体を吸い上げ、生地の表面へと広げて蒸発を促す機能のこと。毛細管現象(細い管の中を液体が吸い上げられる現象)を繊維の構造で活かしたしくみだ。肌をドライに保つことで、汗冷えを防ぐ。
現在ではスポーツウェアの基本的な機能として広く知られているが、1985年当時、これを化学繊維で実現したキャプリーンは先進的な製品だった。
名前の意味から読み解く機能
前半の「Capil-」は毛細管現象を意味する「Capillary(キャピラリー)アクション」から。植物が根から葉の先まで水を運ぶのと同じしくみで、繊維が肌の汗を吸い上げて生地の外側へ運ぶ。後半の「-lene」はポリプロピレン、ポリエチレンなどオレフィン系合成繊維の語尾から来ている。つまり「毛細管現象によって汗を効率よく移動させる合成繊維」そのものが名前になっている。機能を名前に落とし込んだ、非常に合理的なネーミングだ。
レイヤリングという概念を打ち出したパタゴニア
いまではアウトドアウェアの常識となっている「レイヤリング(重ね着)システム」。ベースレイヤーで汗を逃がし、ミッドレイヤーで保温し、アウターで風雨を防ぐ──という3層の組み合わせ方だ。実はこの考え方を体系化してアウトドア界に広めたのも、パタゴニアだ。
1980年代当時、雪山でもただ厚手のウェアを重ねるのが一般的で、「レイヤリング」という言葉すら存在しなかった。パタゴニアはキャプリーンをベースに、フリース(ポーラテック等)をミッドレイヤー、レインウェアをアウターとして組み合わせるシステムを提唱。異なる素材・機能を重ねることで相乗効果が生まれ、山での行動がより安全で快適になると示した。
キャプリーンが2000年に正式に「ベースレイヤー」と位置づけられた背景には、この思想がある。単なる下着から、レイヤリングシステムの基盤となるギアへ──その格上げは、パタゴニアが長年かけて作り上げてきたアウトドアの文法の、ひとつの完成でもあった。
環境への配慮──素材と包装の変遷
パタゴニアの環境への取り組みは、製品そのものに刻まれている。キャプリーンの歴史を追うと、ギアとしての進化と環境思想の深化が同時に進んでいることがわかる。
| 1995年 | スシロールパッケージ 不要な梱包材を省き、製品を折り畳んで輪ゴムで留めるだけのシンプルな販売形式「スシロールパッケージ」を導入。過剰包装を排除するという環境メッセージを、製品の売り方そのもので表現した取り組みだ。いまでもパタゴニアのキャプリーンを手に取ったことがある人には馴染み深いスタイルだろう。 |
| 2006年 | リサイクルポリエステルの採用 多くのモデルでリサイクルポリエステルを素材に採用。ペットボトルなど廃棄プラスチックを原料にした再生繊維を使うことで、新たな石油資源の消費を抑える。防臭加工も、より天然由来で環境負荷の低い素材へと切り替えを進めた。同年、責任ある調達基準を満たしたメリノウールのベースレイヤーも登場している。 |
| 2019年〜 | 植物由来の柔軟加工・酸化チタン練り込み キャプリーン・クール・デイリーのリニューアルにあたり、生地の柔軟加工に「miDori bioSoft」を採用。一般的な柔軟剤は動物性または石油由来のものが多い中、パタゴニアは植物種子由来の素材を選択した。また日焼け止め加工についても、表面コーティングから酸化チタンを繊維に練り込む製法へ変更し、洗濯での成分流出を抑えた。 |
| 2021年 | RWSウールの調達へ 「レスポンシブル・ウール・スタンダード(RWS)」という第三者認証を取得した農場からのメリノウールを採用したキャプリーン・クール・メリノを展開。羊の扱い方(刈り方・飼育方法)から、牧場の土壌の持続可能性まで審査された、動物福祉と環境に配慮したウールだ。 |
| 2026年 | 全モデル リサイクルポリエステル100%、 フェアトレード認証 今シーズンの化学繊維テックTは全モデルがリサイクルポリエステル100%。さらにフェアトレード・サーティファイドの工場での製造基準を満たしている。製造に関わる人々の労働環境への配慮も、パタゴニアのモノづくりの一部だ。 |
キャプリーン・クール──50年の進化
防臭加工の進化──キトサンからハイキュ・ミントへ
化学繊維のベースレイヤーは、においが出やすいという弱点を最初から抱えていた。汗そのものよりも、汗を栄養に繁殖するバクテリア(細菌)がにおいの原因だ。パタゴニアは1988年に業界でいち早く抗菌防臭加工を導入し、以来その加工は時代ごとに更新されてきた。
| 世代 | 素材・加工 | 特徴と課題 |
| 第1世代 1988年〜 | 繊維定着型 抗菌防臭加工 | 業界初の繊維定着型。従来の表面塗布型より効果が持続。 |
| 第2世代 | キトサン加工 | 甲殻類(エビ・カニの殻など)由来の天然素材。抗菌性はあるが、繊維との相性や耐久性に課題。 |
| 第3世代 | シルバー(銀イオン)加工 | 銀の抗菌力を活用。効果は高いが、環境中への銀イオンの流出リスクが指摘されるように。 |
| 第4世代 2013年〜 | ポリジン加工 | バクテリアの繁殖を抑える加工。環境・人体への負荷を考慮した選択。 |
| 現在 2026年〜 | ハイキュ・ミント | 生分解性を持ち、環境への影響が低い。パフォーマンスと環境配慮の現時点での最適解。全テックTモデルに採用。 |
各世代で「環境に負荷が少なく、かつ人体への影響も少ないものを常に模索する」というパタゴニアの姿勢が一貫している。さらにパタゴニアは製品化の前にアンバサダーによるフィールドテストを行っており、ブリーフィングではトレイルランニングアンバサダーの石川弘樹さんに依頼したテスト用サンプルが実演として紹介された。左右で異なる防臭加工を施したシャツを、洗濯をしない状態と通常通り洗濯した状態で長期着用してもらいデータを取るという、徹底したフィールド検証だ。

Photo©Sho Fujimaki
2026年、4モデルの使い分け
今シーズンのキャプリーン・クールシリーズは「目的ごとに選べる4つのテックT」として整理された。既存のデイリーとトレイルに加え、ウルトラとサンが新登場した。
| 既存モデル クール・デイリー 汎用性が高く、ハイキングから普段着まで。 エントリープライスで、グラフィックの種類も豊富。最も多くのシーンで使いやすい入門的な一枚。 | 既存モデル クール・トレイル 通気性がシリーズの中で最高。 ポリエステル短繊維を紡ぐ製法でコットンに近いやわらかい肌触りを実現。フワッとした素材感が好みの人向け。 |
| 2026年 新登場 クール・ウルトラ シリーズ最軽量・最速乾。74 g(S/S)。 ハニカム構造で汗を素早く外へ。大量発汗を伴うトレイルランニングなどに最適。 | 2026年 新登場 クール・サン UPF 40+で紫外線をブロック。酸化チタン繊維練り込みで洗濯しても効果が持続。吸湿性がシリーズで最も良い。水辺から山まで日射対策に。 |
キャプリーン・クール・デイリー
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・デイリー(メンズ)
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・デイリー(ウィメンズ)
シリーズの中でもっとも長く展開されている定番モデル。価格帯も手が届きやすく、ハイキングから普段着まで幅広く対応できる汎用性が最大の魅力だ。グラフィックのバリエーションも豊富で、街でも山でも違和感なく着られる。陸上から水辺までいろんなシーンに使える、まず持っておきたい一枚。


僕もこれまでの島旅で色褪せるほど海に山に連れまわし愛用している。


キャプリーン・クール・トレイル
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・トレイル(メンズ)
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・トレイル(ウィメンズ)
ポリエステルの短い繊維(ショートファイバー)を紡いで糸にする製法により、コットンに近いやわらかな肌当たりを実現している。4モデルの中で通気性がもっとも高く、ほどよくフワッとした生地感が特徴。肌に張り付かず風が通る感触が好みの人に向く。かつてトレイルランニング向けとして展開されていたリッジ・フロー・シャツに近い素材感を持つモデルでもある。


キャプリーン・クール・ウルトラ(2026年新登場)
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・ウルトラ(メンズ)
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・ウルトラ(ウィメンズ)
シリーズ最軽量・最高速乾性の新モデル。Tシャツタイプで重量はわずか74 g。素材は2.2 oz のリサイクルポリエステル100%だ。先シーズンまでのキャプリーン・クール・ライトウェイトと、トレイルランニング向けのリッジ・フロー・シャツを統合・発展させた後継にあたる。ハニカム構造により素早く汗を外へ逃す構造となっている。


Photo©Sho Fujimaki


トレイルランニングなど大量に汗をかくスポーツが主なターゲットだが、ブリーフィングではパタゴニアのスタッフがこんな活用例を話していた。
「パタゴニアではメッシュのベースレイヤーは作っていませんが、冬のバックカントリーのときにミッドレイヤーの下にこれを着ることで、汗の吸い上げが非常に良い。自分の力で急坂を登るとあっという間に大汗をかきますが、その汗を速やかに吸い上げてミッドレイヤーへ伝えてくれる効果を強く実感しています。暑い季節だけでなく、1年中使えるベースレイヤーだと思っています」
速乾性の高い生地が汗を「溜めずに逃がす」役割を果たすことで、冬の雪山でも汗冷えを防げる。夏の水辺や山のトレイルだけでなく、冬のバックカントリーでも頼れる──これがパタゴニアが「メッシュのベースレイヤーではなく、一枚で多用途に使える製品」を開発し続ける理由でもある。
キャプリーン・クール・サン(2026年新登場)
▶ パタゴニア公式 | キャプリーン・クール・サン(メンズ)
▶パタゴニア公式| キャプリーン・クール・サン(ウィメンズ)
UPF 40+という高い紫外線防護性能を持ちながら、ラッシュガードのようなベタつきを感じさせない新モデル。ラインナップはロングスリーブとフーディの2種類。袖口にサムホール(親指を通す穴)を備え、手の甲まで日焼けを防げる。


Photo©Daniel Russo
この背景には、パタゴニアが過去に学んだ経験もある。以前のシーズンでキャプリーン・クール・デイリーにUPF表記を試みた際、カラーの違いによって数値にばらつきが生じ、一度回収に至ったことがあった。その反省から今シーズンのクール・サンでは、製造段階から厳格なテストを繰り返して製品化に至っている。
またファスナーには海水でも錆びないプラスチック製を採用。開発の出発点がフライフィッシング向けだったという経緯から、水環境への対応が最初から設計に組み込まれている。山岳だけでなく、水辺・海上でも安心して使えるという思想が細部に宿っている。
フィールドレポート──伊平屋島

沖縄本島北部の運天港からフェリーで約80分、沖縄県最北端に近い離島・伊平屋島を訪れた。300 m級の山が連なり、白い砂浜と豊かな珊瑚礁が共存するこの島は、山と海を一度に楽しめるフィールドだ。

拠点は米崎海岸に隣接するキャンプ場。島にいる間はキャプリーン・シリーズとバギーズ・ショーツ、肌寒い時にはナノパフを羽織るというスタイルで行動した。
パタゴニアの夏を象徴するバギーズ・ショーツは、速乾性を備えたリサイクル・ナイロン製。メッシュのライナーを備えているため、そのまま海へ入れる水陸両用の傑作だ。今回の島旅のようなスタイルには欠かせない。股下の長さに5インチと7インチといったインチ展開があるため、アクティビティや好みのシルエットに合わせて選べるのも嬉しい。
また、日が落ちて気温が下がったキャンプ場や、海上がりの冷えた体に重宝したのがナノ・パフだ。中綿に採用されているプリマロフト・ゴールド・インサレーション・エコは、撥水性を備えているため濡れても保温性を維持する性質がある。 湿度の高い海辺や、不意の雨に見舞われるフィールドでも、ダウンのようにロフトが潰れて保温力が失われる心配が少なく、非常にタフに使えるギアだ。
これら二つの定番製品については、また次回のレポートで詳しく触れることにしたい。



活動初日、先ずは米崎海岸からエントリーし、スキンダイビングで潜った。透明度の高い海中に珊瑚礁が広がり、その向こうに阿波岳──島の南に位置する山の稜線が水面越しに青く霞む。島の豊かな自然が、海の上にも水の中にも、ひとつながりで続いているような感覚だった。



クール・サンは水から上がったときの「肌離れの良さ」が際立っていた。濡れた生地が体に張り付いてまとわりつく感覚がなく、上陸してそのままの格好でトレイルへ向かう。海から山へ移行する際にストレスなく着たまま動ける感覚は、コンセプトである多用途性を感じた。濡れた格好でトレイルに入ったが、歩き始めるうちに生地はすみやかに乾いていった。

阿波岳のハイキングを終え、歩いてキャンプ場に戻り、キャプリーン・クール・ウルトラをさっと着る。74 g という軽さはバックパックのどこかに押し込んでおけるレベルで、荷物を増やす感覚がない。汗と潮で少し疲れた体に、サラッとした着心地がちょうどよかった。においも気にならず、そのまま夕食まで過ごせた。トレイルランニングウエアではあるが、コンパクトに畳めて、アクティビティ後にさっと羽織れる「もう一枚」として、街中でもテント場でも島旅全体を通して重宝した。

翌日は賀陽山へ。山道を歩くと所々にクバ(ビロウ)が目に入った。伊平屋島はクバの自生地として知られ、かつて葉を笠や籠、屋根材に利用してきた島の文化を今に伝える木だ。島の反対側には山全体がクバに覆われている久葉山なんてところもある。


南国らしい緑の広葉が南国の風に揺れるなか、曇り空から時折差し込む日差しの強い稜線でも、UPF 40+がしっかり日焼けをブロックしてくれる。登り続けてたっぷり汗をかいても、ベタつきと不快なにおいは最後まで感じなかった。暑い時には、胸ポケットと首元のボタンを開けて換気した。


賀陽山を登ったあと、今度はリーフエッジ沿いに豊かなテーブル珊瑚が広がるという通称「赤ポール」に向かうため、再び海へ下山。山を歩き通した後のエントリーだったが、クール・サンのまま再び潜った。ハイキングで汗を吸った後の生地が、海水の中でどう感じるか──不思議なことに、潮に濡れてもまとわりつく感覚はなく、山頂から見おろしていた青い海を今度は水中から眺めるという、この旅の締めにふさわしい時間になった。水中ではもずくの養殖棚が静かに揺れていた。縄に沿ってもずくがたっぷりと育つ一方で、リーフエッジまで進むと珊瑚の白化が見られた。色を失った珊瑚が骨格だけを晒す姿は、海の変化を静かに告げているようだった。


山で汗をかき、海で潮をかぶり、キャプリーン・クール・サン一枚が一日中その役割を果たした。クバの葉陰、白化した珊瑚、棚に揺れるもずく。伊平屋島の恵みと変化のすべてを、体ひとつで受け取った一日だった。
フィールドレポート──国頭郡東村
やんばる(沖縄本島北部の亜熱帯林地帯)の山に抱かれた沖縄最大のダム、福地ダム。堤高91.7 m、総貯水容量5,500万 m³を誇るこのダムから流れ出す福地川が、東海岸の平良湾へと注ぎ込む。山の水が、そのまま海の生態系を支えている──Ridge to Reefが目に見えるかたちで存在するフィールドだ。


今回は取材の一環で藻場再生プロジェクトを追い、平良湾でスキンダイビングを行った。藻場(海草が密生し、魚介の産卵・稚魚の育成の場となる場所)は、気候変動や陸からの影響で失われつつある。山から続く水の流れが栄養を海へ運び、その豊かさが海草の根付きを支える──潜水しながら、陸と海のつながりの大切さを体で理解した。


その後、福地ダムから川沿いを歩き、福地川海浜公園のビーチへ向かった。やんばるの照葉樹林が川の両岸に迫り、川面を渡る風が涼しい。よく目を凝らすと、川岸の所々に赤土の痕跡が見える。大雨のたびに赤土が川へ流れ出し、最終的に海へと運ばれていく──農地や造成地から流出した赤土が珊瑚礁を覆う問題は、沖縄の海が長年抱えてきた課題だ。山の生態系が川を伝って海へとつながる「流域」を体感できるルートだ。東海岸側の強い日射の中でも、クール・サンはベタつきなく体を動かし続けられた。


着てわかったこと
クール・サンは水陸を行き来する遊び方と相性がいい。海から上がってそのままトレイルへ。肌離れが良く、においも気にならない。これは実際に動いてみてわかることだ。


クール・ウルトラは今回、アクティビティ後の休息着として使った。テント場での夕食から翌朝まで、コンパクトさと防臭性は申し分なかった。ただ本来の持ち場はトレイルランニングのような大汗をかくフィールドのはずだ。その真価はまだ引き出せていない。真夏にもう一度、試してみたい。

地球を救うための道具として
防臭加工の変遷──キトサン、シルバー、ポリジン、そして現在のハイキュ・ミントへ。リサイクルポリエステルの採用、スシロールパッケージ、植物由来の柔軟加工、酸化チタン練り込みのUVカット。これだけの積み重ねを見ると、キャプリーンの歴史はパタゴニアの環境思想の年表そのものだとわかる。製品の性能を上げながら、同時に環境負荷を下げていく。この両立への真摯な問いかけが、40年以上続いている。
藻場再生プロジェクトの海に潜り、福地川沿いを歩き、伊平屋の珊瑚礁に潜った後だからこそ、素材の来歴への誠実さが重く響く。山と海はつながっている。気候変動が山のフィールドを変え、陸からの影響が海の生態系を変える。アウトドアを楽しむ者は、フィールドの変化を誰よりも早く感じる観察者でもある。その自覚を持ちながら、環境負荷の低いギアを選ぶこと──それが「遊び」を「守る」へとつなぐ、もっともシンプルなアクションだ。
Ridge to Reef。尾根から珊瑚礁へ。キャプリーンを一枚手に、山と海を行き来する旅は、この言葉の意味を体で学ぶ旅でもある。

取材・文:Yuki Amphibious Outdoor / 製品協力:パタゴニア日本支社
※本記事はメディア向けブリーフィング(パタゴニア主催)への参加および現地での実体験に基づいています。記事内のUPF表記はパタゴニアの確認に基づきUPF 40+としています。


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